ビクターSX-V05

ビクターの小型スピーカーSX-V05を購入した。
といっても、このスピーカー、普通のオーディオショップに行っても置いてない。
実はこれ、1997年と今から10数年前に発売されたとっくに絶版になっている幻の（？）スピーカーなのだ。

幅144×高さ248×奥行205mm、3.0kg、税抜ペア58,000円

ちょうどこのスピーカが発売された頃、ステレオを買い替えようとスピーカーをあれこれ物色していたのだが、このスピーカー、当時のステレオ誌のベストバイで堂々の1位に輝いており、当然購入候補の最有力として何度も試聴していたのだ。
結局、その時は迫力に勝るDENONのSC-E717を買ってしまったのだが、その優美な姿は忘れ難く、常に頭の隅に引っかかっていたのだ。
過ぎ去ること10数年、先日程度のいい中古品を見つけ、遂に購入してしまった。
「♪物欲がー、止ーまーらなーいー♪」（杏里の「悲しみが止まらない」のふしで）

PIEGAのTS3（左）よりわずかに大きいが、このSX-V05（右）も幅14.4センチと手の平に乗るほど小さい。
このスピーカーの売りは50,000ヘルツまでの高音を再生可能なツイーターにあったのだが、実際に聴いてみると、高域の伸びはそれほどではなく、むしろ、中域にエネルギーが集中したかまぼこ型の音である。
しかも低域はあまり出ず、強いて言うなら下半分が痩せたかまぼこ型とでも言おうか、決してワイドバンドのスピーカーではない。
しかし、その音色は上品で、どこかダリのメヌエットを思わせるところがあり、女性ボーカルなどはかなり心地よく、大きなスピーカーなどいらないのではと思ってしまうほどだ。
小型スピーカーの歴史に名を残す名品と言ったら言い過ぎだろうか。

最近のビクターのスピーカーは今ひとつ元気がなく、ちょっと心配しているのだが、このSX-V05の頃を思い出して、頑張って欲しいものだ。